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【文芸部】Vol.2 リレー小説「私の願い」(1)

こんにちは。
文芸部です。夏休み期間に四人の部員でリレー小説を制作しました。良かったら読んでみてください。

【私の願い】


 
 (グラフ)
 私立天志高校。最難関大学合格者を多数出し、卒業生リストには著名人がずらりと並ぶエリート校である。そんな学校の一次選抜に佐藤莉夏は合格することができた。
 合格のために家庭教師も付けてもらい、一日五時間以上勉強していた。記憶力は人並みだと思っているけど死ぬ気で努力した。頑張って本当に良かった。
 天志高校はまず一次選抜としてマークシート式の試験があり、次の日に結果を開示する。二次選抜は毎年内容が違うらしい。それに加えて試験内容は外部に口外してはいけないという。とても緊張するがやるしかない。私の親は二人とも天志高校を卒業後に最難関大学への進学を果たしている。娘の私が天志高校に不合格なんてことがあったら.........考えるだけで恐ろしい。
 軽い朝食を取り、車で二次選抜会場に向かう。車から降りるとき涙ぐんだお母さんが言った。
「私達の自慢の娘だもの。合格できるわ。頑張ってくるのよ」
 うんお母さん。絶対受かってくるからね。
 
 ..................
 自分を含め三人の生徒で面接教室に入った。
「では右の方から自己紹介もしくは志望動機をお願いします」
 そう言われて「はいっ!」とポニーテールが似合う運動が出来そうな子が話し始めた。
「高橋美雪です。中学のときはバレー部部長を務めておりました。チームメイトと団結し全国大会に行ったことは忘れられない経験となりました。貴校でもバレー部に入り、高校生活を充実し、勉学にも努めていきたいと考えております」
 運動も勉強もできる子もいるなんて、流石文武両道を掲げる天志高校だ。
 自分の隣の席の子も自己紹介を始めた。ボブの華奢な子だった。
「鈴木愛梨です。中学のときは科学部に所属していました。考察を大事にする研究を頑張ることができました。将来は医者になりたいと思っています。貴校で努力を重ね、医者になったらたくさんの方を救いたいです」
 可愛い声と見た目であるが、性格に芯が通ってそうな子だ。私も頑張らないと。
「佐藤莉夏です。常にどんなことにも向上心を持って取り組めるのが私の長所です。私は貴校の先輩の勉学への姿勢に感銘を受け、本校を志望しました。貴校の先輩のように文武両道となるよう日々精進していきたいと思っています」
 緊張したができるだけハキハキと話した。
 これからどんな面接を行うのだろう。少しわくわくする気持ちもあったのに、面接官の一言で恐怖の気持ちに変わってしまった。
「皆さんありがとうございました。それでは、
 
『今からこの三人の中から話し合って、「二人」合格者を出してください。』」

・・・「私の願い」(2)へ続く